海外居住者はこちら

不動産所得のある海外赴任者のためのガイド:所得税の納税管理人届出書提出先を解説

 

本日は、所得税の納税管理人届出書をどこに提出すべきかについて簡単に解説します。

海外留学や海外赴任で日本国内に住所がなくなるものの、不動産所得等が存在し、日本での所得税の申告が必要になるケースがあります。
そういった状況では、日本国内に住所をもつ納税管理人を指定する必要があります。

所得税の納税管理人届出書は、納税者本人の納税地を管轄する税務署長に対して提出します。ただし、納税地の判断はいくつかの基準に基づいて行われます。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
国内に住所および居所を有しないこととなった者の納税地については、次の順番で判断します。

(1) 国内において行う事業に係る事務所等を有する場合
その事務所等の所在地
(2)(1)以外の者で、その納税地とされていた住所または居所にその者の親族等が引き続き、またはその者に代わって居住している場合
その納税地とされていた住所又は居所
(3)(1)および(2)以外の場合で、国内にある不動産の貸付け等の対価を受ける場合
その貸付けの対価に係る資産の所在地(その資産が2つ以上ある場合には、主たる資産の所在地)
(4)(1)から(3)により納税地を定められていた者が、そのいずれにも該当しないこととなった場合
その該当しないこととなった時の直前において納税地であった場所
(5)(1)から(4)以外で、その者が国に対し所得税の申告及び請求等の行為を行う場合
その者が選択した場所
(6)(1)から(5)のいずれにも該当しない場合

(通法21、所法15、所令53、54)

引用:タックスアンサーNo.2029 確定申告書の提出先(納税地)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

具体的な状況を考えてみましょう。
例えば、以下のようなケースでは、どこに納税管理人届出書や確定申告書を提出すべきでしょうか?

ケース:
Aさん(ひとり暮らし)
2023年2月に大阪から東京へ引っ越し
2023年5月に渡米予定、北海道の不動産からの賃貸収入は継続発生
2027年5月に帰国予定

 

この場合、以下のようになります:
所得税の納税管理人届出書は、2023年5月に渡米する前に、Aさんが現在住んでいる東京の住所を管轄する税務署に提出します。
一方、確定申告書は、不動産所在地である北海道の不動産所在地を管轄する税務署に提出します。
また、固定資産税や住民税の納税管理人届出書も必要に応じて提出することを忘れないように注意しましょう。

 

当事務所では、納税管理人サービスを提供しています。
海外に長期滞在する予定で、不動産所得等がある場合は、お気軽にご相談ください。