For Foreign Nationals in Japan

【外国人向け】年金の脱退一時金を自分で請求する方法を解説 

 

 

最近、日本で働いている外国人の方々から、他の国に引っ越す、もしくは母国に帰る際のお問い合わせが増えています。日本滞在中に国民年金や厚生年金保険等に加入していた方は、一定の条件を満たせば脱退一時金を請求することができます。脱退一時金の請求書はシンプルな書式で、記載箇所も多くないため、ご本人が直接請求するケースも少なくありません。本記事では、脱退一時金の請求手続きについて簡単に説明します。

 

 

脱退一時金を請求できる人はどんな人?

以下のすべての条件に該当する場合に、脱退一時金の請求が可能です。

① 日本国籍を有していない

② 国民年金の保険料納付済期間等の月数又は厚生年金保険(共済組合等に加入していた期間を含む)が6月以上ある

③ 日本に住所を有していない

④ 年金(障害手当金を含む)を受ける権利を有したことがない

参照元:日本年金機構HP参照

 

なお、2017年8月より老齢年金の受給資格期間が10年に短縮されています。10年以上の資格期間がある場合は、将来日本の老齢年金を受け取ることができますが、脱退一時金は受け取れない点ご留意ください。

さらに、日本と年金通算の協定を締結している国の年金加入期間を通算できる場合があります。詳細は、社会保障協定|日本年金機構 (nenkin.go.jp)をご参照ください。

脱退一時金を受け取った場合、それまでの年金加入期間が無効になります。日本の年金を受給する可能性なども考慮して、慎重に検討する必要があります。

 

準備すべき書類

 

脱退一時金請求書(国民年金/厚生年金保険)
年金事務所HPにあるフォーマット資料 p.15,16

【添付書類】
パスポート(旅券)の写し
(氏名、生年月日、国籍、署名、在留資格が確認できるページ)

日本に住所がないことを確認できる書類(住民票の除票の写し等)

「銀行名」「支店名」「支店の所在地」「口座番号」及び「請求者本人の口座名義」であることが確認できる書類(銀行が発行した証明書等または、脱退一時金請求書の「銀行の証明」欄に銀行の証明を受けてください。)

基礎年金番号通知書または年金手帳等の基礎年金番号がわかる書類

参照元:日本年金機構HP

 

②の住民票の除票の写し等は、出国前に転出届を提出した場合は、住民票の消除情報から確認できるため原則不要です。ただし、2012年(平成24年)7月以前から国民年金または厚生年金保険の被保険者である場合は、転出届の提出にかかわらず提出する必要があります。

③銀行口座に関しては、日本の口座(非居住者でも保有可能なもの)でもOKです。

④年金手帳の原本を送るケースが多く、申請が完了すれば返還されます。

なお、代理人を立てる場合には委任状が必要になります。

 

 

提出のタイミングに注意しましょう

出国前に日本国内から請求書を提出する場合は、住民票の転出(予定)日以降に請求書を日本年金機構へ提出しなければならない点に注意しましょう。

郵送の場合は、転出(予定)日以降に請求書が日本年金機構に到達するように送付します。 具体的な方法として、郵便局の簡易書留配達日指定のオプションを付けて送る方法があります。指定日は、発送日の3日後から起算して10日以内ですので、出国前に手続きする場合には出国直前に手続きしましょう。郵便局の窓口に備えられている配達日指定シールに希望配達日を記入し、郵便物に貼り付けて窓口で提出します。

また、請求期限にも注意が必要です。日本に住所を有しなくなった日から2年以内に請求する必要があります。

 

How to Send the Lump-Sum Withdrawal Payment Claim Form to Arrive After Departure

 

 

If you are submitting the claim form from within Japan before your departure, ensure that the form is submitted to the Japan Pension Service after the date of your resident registration cancellation (or planned cancellation).

 

A specific method is to send the documents using simplified registration (KANIKAKITOME 簡易書留)with the delivery date specified option at the post office. The specified delivery date can be set within 10 days starting from the third day after the mailing date.

 

Therefore, if you are handling this procedure before departure, it is recommended to complete it just before leaving Japan. Fill in the desired delivery date on the delivery date specification sticker available at the post office counter, attach it to your mail, and submit it at the counter.

 

“Maximizing Your Retirement Benefits in Japan: Navigating the Lump-sum Withdrawal Payment System and Tax Refunds for Foreign Nationals”

 

脱退一時金から差し引かれた税金は還付されるケースが多い

非居住者が受け取る厚生年金等の脱退一時金は、退職手当等とみなす一時金に該当し(所得税法31条)、支給時に20.42%の源泉徴収が行われます。「退職所得の選択課税」を適用すれば、税金の還付を受けることができる可能性があります。

当事務所では、税金還付のための退職所得の選択課税の申告代行を承っていますので、お気軽にご相談ください。