海外赴任の決定は、往々にして突然やってきます。すでに住宅を購入し、住宅ローン控除を受けている場合も少なくありません。海外赴任に伴い、住宅ローン控除がどのように影響されるのか、気になる方も多いでしょう。出国前に税務署への届け出が必要なケースがありますので、事前に対応しておくことが重要です。今回は海外赴任が決まった場合の住宅ローン控除の取り扱いを簡単にご紹介します。
住宅ローン控除を受けるためには、住宅取得日から6か月以内に居住を開始し、その年の12月31日まで継続して居住する必要があります。
ただし、転勤等のやむを得ない事情により要件を満たせない場合には、例外的な取り扱いが定められています。
①前年以前から住宅ローン控除の適用を受けていた方が、家族と一緒に海外赴任する場合
出国する日までに、税務署に「転任の命令等により居住しないこととなる旨の届出書」および「年末調整のための住宅借入金等特別控除証明書(税務署から交付を受けたものの未使用分)」を提出することで、帰国後に再び居住したときに住宅ローン控除残存期間について特別控除の再適用を受けることができます。
➁取得から6か月以内に居住し、初年度年末までに家族と一緒に海外赴任する場合
出国前の手続きは特に不要です。帰国後再び居住したときに、残存控除期間について特別控除の再適用が可能となります。
なお、単身赴任の場合は取扱いが異なります。たとえば、平成28年(2016年)4月1日以降に住宅の取得等をした場合、家族が年末まで引き続き居住していて、帰国後に本人が住み続けることを前提に住宅ローン控除の継続適用が可能です(租税特別措置法関係通達41-2)。この場合、出国年に確定申告をして住宅ローン控除を適用すれば、還付が受けられる可能性が高いです。
各ケースに応じた詳細な情報は、税務署や税理士にご確認ください。当事務所では、税務署への各種届出書の提出代行、出国年の確定申告代行(住宅ローン控除の適用)、海外赴任中の納税管理人サービスも提供しています。お気軽にお問合せください。
国税庁HP
タックスアンサー No.1234 転勤と住宅借入金等特別控除等